強酸性の胃に生息するピロリ菌

1893年、サルなどの動物の胃の中にピロリ菌が存在しているのをビッゾゼロという人が報告したのが、ピロリ菌の発見の最初で、人間にも存在しているのを発見したのは1906年、クレニッソという人物が最初です。当時、強酸性の胃の中に細菌は住めないと考えられていたので、余り注目されることはありませんでした。

しかし、1979年にオーストラリアの病理医であるワーレンが、胃に生息するラセン菌がいるところに胃炎が発生していることに気づき、さらに1982年、消化器内科医のマーシャル街の組織からピロリ菌を分離することに成功したのをきっかけに、ピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍の研究が急速に進むようになったのです。2005年、ワーレンとマーシャルはこの功績を讃えてノーベル医学賞が授与されました。

ところで、強酸性の胃の中をピロリ菌はどうやって生息しているのでしょうか?ピロリ菌は螺旋状の形をしており、端に鞭毛がついています。この鞭毛を回転させながら、胃粘膜の上にある中性の粘液内を素早く移動して、酸から逃れているのです。

現在、胃・十二指腸潰瘍に対して、酸分泌抑制薬のプロトンポンプ阻害薬(PPI)と、抗菌薬のアモキシシリン、クラリスロマイシンを服用する除菌両方が一般的となっています。

病院職員が患者から被害を受けるケースが増加

全日本病院協会が2007年に行なった調査結果によると、1年間に医師や看護師などの病院職員が、患者やその家族から暴力を受けた経験があると答えた病院は半数以上に上っています。医師らの対応や待ち時間への不満がきっかけになったケースが多く、深刻化するモンスター・ペイシャントの実態を如実に示したデータといえるでしょう。

病院側が実際に警察に届け出たケースは、全体の5.8%、弁護士に相談したケースも2.1%にとどまっており、医療現場が患者の暴力への対応に苦慮している実態がうかがえます。職員が精神的に陥ったケースは70%となっており、被害を受けた経験が最も多かったのが看護師で全体の9割を占めており、以下事務職、医師となっています。

患者一人ひとりに医師がじっくり向き合える時間的、心理的な余裕があれば、問題を起こす患者でも少しは理解してくれるかもしれません。しかし現実は逆方向に進んでいます。医療費削減に伴う深刻な医師不足により、現場の医師たちはより過酷な環境で働くことを強いられています。医療事故の責任を争う訴訟の増加も、医師たちの不安をより深刻なものとしています。