強酸性の胃に生息するピロリ菌

1893年、サルなどの動物の胃の中にピロリ菌が存在しているのをビッゾゼロという人が報告したのが、ピロリ菌の発見の最初で、人間にも存在しているのを発見したのは1906年、クレニッソという人物が最初です。当時、強酸性の胃の中に細菌は住めないと考えられていたので、余り注目されることはありませんでした。

しかし、1979年にオーストラリアの病理医であるワーレンが、胃に生息するラセン菌がいるところに胃炎が発生していることに気づき、さらに1982年、消化器内科医のマーシャル街の組織からピロリ菌を分離することに成功したのをきっかけに、ピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍の研究が急速に進むようになったのです。2005年、ワーレンとマーシャルはこの功績を讃えてノーベル医学賞が授与されました。

ところで、強酸性の胃の中をピロリ菌はどうやって生息しているのでしょうか?ピロリ菌は螺旋状の形をしており、端に鞭毛がついています。この鞭毛を回転させながら、胃粘膜の上にある中性の粘液内を素早く移動して、酸から逃れているのです。

現在、胃・十二指腸潰瘍に対して、酸分泌抑制薬のプロトンポンプ阻害薬(PPI)と、抗菌薬のアモキシシリン、クラリスロマイシンを服用する除菌両方が一般的となっています。