病院職員が患者から被害を受けるケースが増加

全日本病院協会が2007年に行なった調査結果によると、1年間に医師や看護師などの病院職員が、患者やその家族から暴力を受けた経験があると答えた病院は半数以上に上っています。医師らの対応や待ち時間への不満がきっかけになったケースが多く、深刻化するモンスター・ペイシャントの実態を如実に示したデータといえるでしょう。

病院側が実際に警察に届け出たケースは、全体の5.8%、弁護士に相談したケースも2.1%にとどまっており、医療現場が患者の暴力への対応に苦慮している実態がうかがえます。職員が精神的に陥ったケースは70%となっており、被害を受けた経験が最も多かったのが看護師で全体の9割を占めており、以下事務職、医師となっています。

患者一人ひとりに医師がじっくり向き合える時間的、心理的な余裕があれば、問題を起こす患者でも少しは理解してくれるかもしれません。しかし現実は逆方向に進んでいます。医療費削減に伴う深刻な医師不足により、現場の医師たちはより過酷な環境で働くことを強いられています。医療事故の責任を争う訴訟の増加も、医師たちの不安をより深刻なものとしています。